TOP>>夜尿症(おねしょ)の治療
どのタイプにも共通の生活上の注意点は、「あせらず」「おこらず」「おこさず」の3つの原則を守ることです。
また、夜尿症は冬に気温が低下すると増悪するのが一般的です。夜間睡眠中の冷えをいかに防止するか、工夫する必要があります。
夜尿の原因の根本は遺伝的なものであり、決して親の育てかた、本人の性格、生活態度の不摂生等が原因でないことを強調しておきます。
医療的な治療は生活上の注意をおこなっても夜尿の改善がみられない場合に行い、薬剤治療とアラーム療法が基本となります。
夜間の尿量を減らす最大のポイントは、食事・水分の摂り方の見直し(食事療法)です。
具体的には、摂取する塩分量(時に蛋白質量)を減らす、水分摂取の少ない食事をする習慣を身につける、夕食後の水分摂取(果物なども含む)は極力避けるなどが必要です。
膀胱の貯めを増やすためには、排尿をなるべく我慢する習慣(排尿抑制訓練)をつけることが必要です。特に昼間尿失禁を伴っている場合には、大部分のお母さん方は早めに排尿をさせています。心を鬼にして我慢させてください。
薬剤を使用する場合には、まず生活上の注意(食事療法 排尿抑制訓練)が十分行えることが前提となります。夜尿症に用いられている薬剤の効果はいずれも対症療法です。生活上の注意をおろそかにすると、薬剤のみで一時的な症状の改善はみられても治癒することはなく、かえって薬剤の副作用の出現を助ける場合もあります。
一般的に使われる薬剤としては
などが主流です。
夜尿があった時に警報が鳴り、排尿抑制を繰り返している(アラーム療法)と、膀胱の貯めが増えてきて夜尿の時間帯が朝方に移行し、最終的には朝までもつことになります。
この方法は夜尿があった時の警報により排尿を抑制させる事が目的で、夜、適当な時間に覚醒させて排尿させることではありません。夜、適当な時間に覚醒させて排尿させても(例えば親が寝る時間に起こして排尿させるなど)、夜尿の自立促進効果はありません。
膀胱型は膀胱容量が増大し、多尿型は夜間の尿量が減少し、混合型は膀胱容量が増大するとともに夜間の尿量が減少して、夜尿の時間帯が朝方に移行しながら治癒していきます。
いずれにしろ、夜尿の治癒には時間がかかります。ただ単に、夜尿の日数が減った、増えただけでなく、夜間の尿量、膀胱容量、時間帯と季節性も考慮に入れながら、改善する方向にむかっていることを評価してあげて、根気よく治療を継続することが大切です。
参考に、私の診療所でのこれまでの夜尿症の治療成績を示します。
自然経過で夜尿症は、1~2年後には約15%、2~3年後には約30%前後のお子さんが治癒します。夜尿症のお子さんの治癒成績は病型別に違いがありますが、全体として1~2年目で治癒するものは約50%、2~3年目で治癒するものが約70%となっております。
一方で、治療にもかかわらず全く効果のみられないものが1~2年目では約15%、2~3年目では約10%程度存在します。
効果のみられないものは夜間の膀胱容量が増加しないものが大部分であり、その原因・対策については不明な点が多くあります。