TOP>>夜尿症(おねしょ)とは
腎臓で作られる尿量は、摂取した水分量・塩分量・蛋白質の影響を受け、脳下垂体から分泌されている抗利尿ホルモンにより調節されています。腎臓で作られた尿は、膀胱に一定量が溜められた後に尿意に従い尿道を通って排出されます。
昼間と夜間睡眠中の排尿を比べると、夜間睡眠中には排尿を少なくする2つのメカニズムが存在します。ひとつは、夜間睡眠中には抗利尿ホルモンの分泌が昼間の2倍程度に増加し、夜間睡眠中の尿量が昼間の尿量の60%前後に減ります。もうひとつは、自律神経のバランスにより、夜間睡眠中の膀胱での尿を溜める力(膀胱容量)が昼間の1.5倍程度に増加します。
このような、夜間睡眠中の尿量の減少・膀胱容量の増加は、成長とともに発達し、3~4歳を過ぎると、夜間睡眠中の尿量が減少し、膀胱容量も十分に増加して、大部分のお子さんは夜間睡眠中の尿量を朝まで膀胱に溜めることができるようになり、夜間睡眠中には尿意はなく、排尿をしなくて良くなります。

夜尿症のお子さんは、排尿の日内リズムが未熟であるために、夜間睡眠中の抗利尿ホルモンの増加が悪く、尿量の減少が不十分であったり、自律神経のバランスが未熟で膀胱容量の増加が不十分なために、夜間睡眠中に膀胱容量以上に尿ができ、睡眠中に尿意が発生します。子どもは生理的に眠りが深いために、この尿意では覚醒することができずに夜尿をしています。
こうした未熟性の原因は遺伝的な背景があるものが大部分で、「育て方」「生活環境の変化」「精神的要因」は主たる原因ではなく、「本人の自覚」「夜覚醒させる・させない」などとは関係ありません。

夜尿症は、この夜間睡眠中の尿量と膀胱容量のバランスの面から、
の4つのタイプ(病型)に分けられます。
お子さんの夜尿症のタイプを見極めることが治療していくうえで最も大切です。

夜尿症が、いつ治るか(重症度)は夜尿をしている時間帯が最も影響します。個人差がありますが、平均的にみると夜尿が寝入りばな(就寝後)にある場合には5~6年後、夜中にある場合は3~4年後、朝方(起床前)のみにある場合は1~2年後で自立します。夜尿が寝入りばな(就寝後)にある場合、夜中にある場合にはほぼ連日夜尿がみられ、一晩に数回の夜尿があることも多いようです。朝方(起床前)のみにある場合は夜尿のない日もみられてきます。
夜尿の自立が遅れる要因として夜尿の時間帯、回数以外に昼間尿失禁の存在があります。昼間尿失禁と夜尿とがみられる場合には、まず昼間尿失禁が自立し、その後に夜尿が自立するのが一般的です。昼間尿失禁は、午前中から1日に何回も尿失禁がある場合には治るのに時間がかかります。夕方から夜にかけての尿失禁は比較的短期間で軽快します。

夜尿症(昼間尿失禁)の中にはまれに腎臓、膀胱、尿道、脊髄、内分泌、神経、精神などに病気があるものがあります。
(1)発育が遅れている
(2)膀胱炎(尿路感染症)に罹ったことがある
(3)昼間も夜間も間断無く尿が漏れている
(4)便秘がひどい
(5)便の漏らしがある
(6)お尻の皮膚に異常がある
(7)10歳を過ぎても昼間尿失禁がある
(8)睡眠時無呼吸症候群がある
(9)多動がある場合には精密検査が必要となります。
病気がある頻度は夜尿症全体からみると1%以下です。